六華だより

田畑 広樹 北海道札幌南高校野球部監督

第94号

プロフィール

田畑広樹(タバタ ヒロキ)南51期 36歳

札幌南高校 保健体育科教諭 札幌市出身

真駒内中学校卒-札幌南高校卒(野球部主将/3番サード)
筑波大学体育専門学群卒(硬式野球部副主将/セカンド・サード)

教員赴任校
・雄武高校(7年/野球部監督)
・共和高校(2年/札南野球部コーチ2年)

高校時代の思い出

 当時も現在と同様、入学時から飛び抜けた能力や実績を誇る選手はいませんでした。
その限られた人材、環境、高校生活2年半という時間の中で「入学時からの成長率ではどんなチームにも負けない」と選手たち自身がさまざまな創意工夫をし、チームを形作ってきたこと、そのすべてが思い出となっています。個人的には甲子園出場自体はあっという間の出来事でしたし、それまでの先輩たちが築いてくださった土台がありましたので、自分たちの手で甲子園を勝ち取ったという実感よりは、「札南野球」の新たなステージへの切り替わりに自分達が立ち会うことになったのだという感覚として今も心に刻まれています。

野球部監督になった理由と経緯

 甲子園の敗退後の記事にも「将来母校に戻って指導者としてもう一度この場でチャレンジしたい」と述べています。様々な方々の支えがあり、現在このように指導者としてスタートラインに立たせていただけたことを強く感謝しております。今の選手たちとともに新たな「札南野球」を築いていくことで、私たちが経験、体験させていただいた以上の価値を彼らとともに残していきたいです。

監督としての苦労話

 前任校の共和高校時代から2年間コーチを務めていたので、今年度の3年生とは入学時から関わってきました。高校野球生活の最後3ヶ月を新監督で臨むことは、さまざまな面での混乱があったと思います。私が選手であればここまでやれるかなと自問する場面も多々ありましたが、その逆境をもエネルギーに変え、一体感のあるチームを作り上げた彼らには本当に頭が下がります。夏の代表決定戦は大雨の中、16-20という壮絶な戦いでしたが、最後の最後まで「何を起こすかわからない」その背中から札南生の変わらぬ底力を感じました。

うれしかったこと良かったこと

 高校時代の同級生である吉田監督が甲子園で活躍してくれていることは本当に大きな励みとなっています。この夏は2年生の数名が「どうしても甲子園のリアルを感じたい」と自主的に高岡商業の甲子園期間中の練習を訪れ、吉田監督からも練習方法やチームづくりなどについてアドバイスをいただいたようです。帰省後、「やはり甲子園レベルのチームはすごいですね」という選手達に、「とはいえ、同級生には負けたくない」とだけ伝えている私がいました。

これからの目標

 自分の「求める像」を描き、そのために自ら突き進んでいく強いエネルギーを持ち合わせていることが札南生の強みだと考えます。彼らの力を最大限引き出していけるような環境づくりに励んでいきたいと思います。