六華だより

新型コロナ対策への緊急支援について

第97号

2019東京六華同窓会総会・懇親会実行委員会
実行委員長 伊藤英樹(南36期)

 本年5月、2019東京六華同窓会総会・懇親会実行委員会は、我が母校南高に対し新型コロナウィルス対策として扇風機やタブレットなどの支援を実施しました。ここに至る背景について多少なりとも知っていただき、コロナ禍においても、目の前の事を、前向きに考えていただきたいと思います。下記にQ&Aの形式で、今回の背景について説明させていただきます。

Q. 2019東京六華同窓会総会・懇親会実行委員会とは何ですか?

A. 東京六華同窓会より、2019年の総会・懇親会の運営を委嘱された、その年の当番期(南36・46・56期)の同窓生からなる組織です。実行委員会は東京近郊に住む南36期の同窓生を中心に活動してきました。

Q. 支援金はどのように集められたのですか?

A. 支援金の源泉は、2019年6月に行われた2019東京六華同窓会総会・懇親会の剰余金です。
収入の主なものは総会・懇親会への参加費、協賛金および参加者向けに作成した冊子へ掲載する広告費です。また、実行委員活動の多くを無償で貢献してくれたため、結果としてまとまった金額となりました。またこの剰余金には、2011年に札幌で開催された六華同窓会総会・懇親会(幹事は南36期)の剰余金も含まれています。
つまり今回の支援を目的として直接集めたわけではありませんが、多くの六華同窓生の善意が源泉となっています。

Q. 剰余金は学校へ寄附することに決まっていたのですか?

A. 2019年7月の総会・懇親会後の実行委員会で、剰余金は学校図書活動のために寄附をすると決めていました。もちろんこの時には、新型コロナによる今のような状況は想像もしていませんでした。

Q. 学校図書活動に寄附しようと考えたきっかけは何ですか?

A. 総会・懇親会のプログラム冊子を制作する過程で南高の図書部員の活動を取材させていただいたことがきっかけです。総会・懇親会のテーマが「六華全書~第二章~(*)」であったことも理由の一つです。詳しくは、このプログラム冊子を読んでいただけると幸いです。

(*)このテーマに至る背景は、下記のリンクを参照してください。

 http://www.minami36.com/index.html

 https://rikka.net/dayori/2019/03/2019-2.html

Q. 学校図書活動への寄附は、すぐに行わなかったのですか?

A. 当初は、細かな用途は気にせず、寄附だけ実施しようとも考えていました(お金の管理の面を考えればその方が楽ではありました)。学校図書活動への支援というテーマで、何度か成田先生と意見交換をし、物による支援だけでなく機会や場の提供による支援も考慮し、活動の中で必要となった事にお金を拠出しようという方向になりました。2020年3月には、南高図書部員OB/OGの協力で、共創推進機構のイベントの場において学校図書館のこれからのあり方についてご講演いただきました。以下は、そのイベントに参加いただいた方のブログです。

【ご参考】book-sumallyのブログ - SKC:札幌南高図書局員OB発表

 https://ameblo.jp/book-sumally/entry-12583186004.html

Q. 扇風機とタブレットを寄附することになった理由は?これも学校図書活動の支援ですか?

A. 最初は、2019年10月の同期会で、現PTA会長(南36期)より南高の夏場対策として扇風機の必要性と予算不足の現状について話を聞きました。ただ、その時は、学校図書活動の支援という用途を既に決めていたのでそれ以上進めることはありませんでした。その後、学校図書活動の支援については、機会や場があれば多くの予算は必ずしも必要ではないことが見えてきました。一方で、新型コロナの影響が長期化したことで、改めて学校へ緊急支援が必要ではないかという声が同期からあがりました。結果として、南高生徒・教職員への支援であれば剰余金の使途として問題なしということで実行委員の合意をとり寄附の実施を決めました。具体的な要望は、PTA会長を通じ、教職員で検討いただいた上で、①熱中症対策としての扇風機と②密を避けるリモート環境のためのタブレット機等を寄附することになりました。

Q. 南高ではどのように支援が活用されましたか?

A. 廣田校長先生よりメールを頂いていますのでご紹介させていただきます。

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<多大なるご支援に感謝>

 この度の未曾有の危機ともいうべき新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、長期間にわたる臨時休業となり、生徒をはじめ、保護者、教職員ともに先の見えない不安な日々を過ごしておりました。

 臨時休業当時は、課題を送付したり、YouTubeでの動画をアップしたりなど学習支援をしておりました。また授業日の確保のため、夏休みを大幅に減らすこととなり、熱中症についての対応を求められておりました。合わせて生徒の心身の健康状態についても心配や不安がつきまとい、電話連絡による個別対応をし始めているところでした。

 このような状況の中、2019東京六華同窓会実行委員会(南36期)様から、本校生徒・職員が大変な思いしているのではないかとのことで、5月にご支援のお話をいただきました。

 早速、扇風機35台(普通教室、特別教室、体育館)、タブレット30台、動画保存用USB 6個を支援していただきました。

 おかげで5月の下旬には、全クラスがリモートによるホームルームを実施できました。生徒と先生がオンラインでつながり、お互いに安心した表情が印象的でした。

 その後も保健室などに扇風機の設置、ICT関連の機器購入など、追加支援をいただき、暑い夏を乗り切っています。

 購入していただいた扇風機やタブレットについての画像もありますので、ご参照いただければありがたいです。

 2019東京六華同窓会実行委員会(南36期)様におかれましては、学校が苦しい中、手を差し伸べてもらい、現在につながったと確信しております。

 学校を代表してお礼申し上げます。ありがとうございました。

北海道札幌南高等学校長 廣田 定憲

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 コロナ禍で困っている学校がたくさんある中で、いくつかの偶然もあり今回の支援につながったのですが、その根底には多くの六華同窓生の母校への想いと在校生への期待があるのだと思っています。南高の在校生の皆さんには、この厳しいと言われる中にあればこそ、一人一人が「自分らしく」あってほしいと切に願います。なお、学校図書活動への支援は継続していきます。

 最後に、今の心情を端的に示す最近のドラマのセリフを紹介します。

「施されたら施し返す、恩返しです。」