和装を通じて広がる世界
柴田由佳(南37期)
Facebookで六華同窓生がつながり、できたグループのひとつに「六華和装倶楽部」があります。メンバー数は120名余り(2020年8月現在)。Facebook上での着物談義、コーディネートの質問や相談、着物姿の投稿はもちろん、実際に着物を着て集まってのお食事会やお芝居の鑑賞、京都旅行などなど、積極的に活動が行われています。
六華和装倶楽部ができたのは、2016年1月です。「実は着物好きなの」という数人が声をかけあって初詣&食事会をしたのが倶楽部結成のきっかけでした。
発足から4年以上が経つわけですが、「着物」というちょっとニッチな部活に100名を超えるメンバーに参加してもらえるとは思いもよりませんでした。
着物って、今の日本人にとっては近くて遠い微妙な存在、といった感じで、興味がないわけではないけど、難しそうで敷居が高い、そんな風に思っている方は、まだまだ多いのではないでしょうか?でも、興味があるなら、ぜひ、この敷居を乗り越えてみて欲しいと思います。
着物は高価と思っている人。着物沼は深いので、お金がかかることを完全否定はできませんが、ちょっと着てみたいと思うなら、最近はリサイクルでお手頃価格で着物を手に入れることも可能です。もしかして、六華和装倶楽部で相談したら、太っ腹な先輩が「この着物あげるよ。着てみたら?」とか言ってくれるかもしれません。
着付けは難しいと思っている人。普段着を自分で着る分にはそれほど難易度は高くありません。今はネットの動画など、着付けを自分で練習する環境もよくなっています。まずは手軽な浴衣から挑戦してみてはどうでしょうか?何と言っても着付けの上達のコツは、着物を着て出かける場数を踏むことです。いざとなったら着付けを直してくれる六華和装倶楽部の仲間と一緒なら、更に安心です。
着物を着るのは苦しいと思っている人。これ、私もそうでした。振袖を着たときの紐のきつさと草履の痛さはトラウマでした。でも、これも普段着を自分で着るなら紐もゆるめに締められるし、普段使いの草履の鼻緒は太くてフカフカのものを選べば問題ありません。「歩きやすい草履教えてください」といった質問をFacebookでしてみると、先輩が色々教えてくれるでしょう。
着物着て行く場所がないと思っている人。ホテルでやる六華同窓会ほど着物の映える場所はないじゃないですか!?今年はコロナの関係で集まる機会は持てませんが、例年、六華和装倶楽部では、食事会、観劇、気軽なお茶会、相撲観戦などなど、声を掛け合って着物で集まるイベントを多数開催しています。南10期から南50期代までの幅広い同窓生たちが集まって、着物談義に花を咲かせる場となっています。
お母さんの着物はあるけど、どうしていいかよくわからないと思っている人。そんな人には、その着物を見てアドバイスをくれる六華和装倶楽部の仲間が必須ですね!とにかくお母さんの着物は生かしてあげて欲しいものです。着物は、昔のものの方がモノがいいことも多いし、珍しいものもあったりします。仕立て直すことでサイズの調整もある程度は可能です。何よりも、親類から引き継いだ着物への愛着はやはり何ものにも代え難いものです。タンスに眠らせておくのは、本当にもったいない!
着物は、着物・帯・半襟・帯揚げ・帯締め・長襦袢・バッグ・草履・コートと、コーデのこだわりどころが多くて、六華和装倶楽部のみなさんとおしゃべりしていると話題が尽きることはありません。
でも、それよりもいつも感動するのは、着物だけに収まらない、六華同窓生の興味の幅の広さと奥深さです。はんなり着物を着こなしている外見からは想像もできないほど(?)、バイタリティ溢れていて活動的で、おしゃべりしていると刺激をバリバリと受けて脳が活性化して、世界が広がっていくのです。
着物好きの方、着物にちょっと興味がある方、いつでも部員募集中です。今度、同窓会で着物を着ている人を見たら、六華和装倶楽部のメンバーかもしれません。ぜひ、お声をかけていただけたら嬉しいです。
柴田 由佳(しばた ゆか)プロフィール
1968年札幌市生まれ。
東京外国語大学卒業後、食品に関わる仕事に就き、20ー40代は国内外を飛び回る日々。友人に誘われて着物で浅草に遊びに行ったのをきっかけに、着物沼に足を取られる。和裁、絞り染め、茶道など着物を通じて趣味の世界も広がっている。
第97号 の記事
2020年10月1日発行