六華だより

窪田新副会長 就任ご挨拶

第96号

六華同窓会副会長
窪田 毅(南25期)

 この度、六華同窓会の副会長を拝命致しました、南高25期の窪田でございます。
様々な分野でご活躍をされている先輩諸氏が大勢いらっしゃる中、大変僭越とは存じますが、微力ながら会の発展のため、努力して参りますので、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
私が、南高在学中は、第1次オイルショックがあり、戦後一貫して続いてきた、右肩上がりの日本の経済も、大きな危機に直面した時期でもありました。そんな中、「前後期制」の学習方式や今では当たり前となっていますが、道内で最も早く実現した制服の自由化など、その「自主自律」を体現したような自由さ(Liberty)に驚きと誇らしさを感じた記憶があります。

 大学卒業後、北海道に戻り、長く役所の勤めをしておりましたが、同じ職場で沢山の同窓生の皆様が、様々な分野でご活躍をされており、南校の人的ネットワークの厚みと広がりに幾度も助けられました。
今後、我が国は、これまで経験したことの無い、急速な「人口減少社会」に突入します。
そして、北海道は高齢化の進展と相まって、最も早くその波が押し寄せており、道内各地では、持続する地域社会の確立に向けて、懸命の努力が続けられています。
こうした取組を進める上で、どの地域からも、寄せられる最大の悩みは、将来を担う人材の育成・確保です。

 入学直後だったと思いますが、学校林の下草刈りに行った記憶があります。そのとき、雑草に埋もれて、苗木が見えず誤って切りそうになりながら、作業しましたが、この木々が、成長して大木となることは中々想像出来ませんでした。
過日、学校に伺った際に、これらが伐採の適期を迎えているとお聞きし、半世紀近い歳月の重みを改めて感じました。

 同様に、人の育成には、長い時間と莫大な労力が必要です。恵まれた環境や優れた指導、そして何より、友人とのかけがえの無い交友や切磋琢磨が、人格の形成や進路への示唆を与えてくれます。
私が、学生時代を過ごしたときも、東京は1千万を超える人口がありましたが、平成の後半に入ってからは、その傾向はますます顕著になっています。しかし、そうした一極集中が、未来永劫続いていくことが国全体の繁栄への道筋とは思えません。

 南校の卒業生の皆様は、世界を舞台にお仕事をされる方々も多いのですが、一方で、道内で、次の時代を担ってみようと考える後輩の方々がどんどん出ていただけないかと願っております。そうした、輝く人財を輩出する母校と、同窓の皆様の架け橋の一端を少しでも担えるよう念じまして、ご挨拶とさせて頂きます。