六華だより

六華ゼミ特別企画 Rikka Dream Pitch 2024 開催報告

第106号

Rikka Dream Pitch 2024実行委員会
報告:松本ゆかり(南49期)

 2024年は、私たち南49期が六華同窓会総会・懇親会の幹事を務める年だ。その実行委員会の中で、「在校生に喜ばれる、49期ならではの企画ができないか」と話題になった。複数のアイデアの中から検討した結果、「六華ゼミ特別企画」という立ち位置で、在校生に出場してもらうピッチ大会を開催するということでまとまった。(ピッチ:ビジネス用語で短いプレゼンテーションのこと)
 キーとなるのは、成瀬拓也。高校時代は陸上部、大学では箱根駅伝を目指し挫折を経験、社会に出てからはコンサルティング会社勤務を経て「ルールのない会社」を創業、イベント企画にもピッチの実施や審査にも慣れており、何より彼なら絶対に在校生が楽しめる企画にしてくれるという確信があり、この特別企画は成瀬をプロデューサーとして進めることになった。

 特別企画のタイトルは「Rikka Dream Pitch 2024」に決まった。「在校生の夢を聴き、同窓生が応援することで、在校生と同窓生の架け橋を作りたい」という想いが詰まっている。六華同窓会2024のテーマ「架けよう。六華大橋!― Bridge to □ ― 」に因んだ企画でありながら、六華同窓会の普遍的なテーマでもあるだろう。

 構成は、まず成瀬が講師をする3回の特別ゼミ(アイデア編、プラン編、プレゼンテーション編)をオンラインで開催し、在校生に夢の解像度を上げてもらう。そして、3回のゼミを受講した在校生はファイナルピッチにエントリーすることができ、先輩同窓生の前で自分の夢をプレゼンし、具体的な応援を受ける、というものである。

 在校生にアドバイスをするメンターは、期に関係なく同窓生の中から各界で活躍する方に協力を依頼。37~57期と幅広い方にご快諾いただいた。

 特別ゼミの参加者は、延べ99名、うち在校生45名。これにアーカイブ視聴者が加わる。スケジュールのタイトな在校生がたくさん参加してくれたのも嬉しい驚きだし、同期やメンター陣からも予想以上に参加があった。内容は、社会に出て久しい私たちが聞いても勉強になり、そして何よりワクワクするものだった。

 特別ゼミ後には、ファイナルピッチのエントリー受付を開始。締め切りまでの期間も短い中で、何件エントリーがあるか、正直私は心配していた。けれども、エントリーはなんと8件もあり、ファイナルピッチの枠に収めるために泣く泣く選考をしなければならない数だった。メンター陣による選考の結果、5名がファイナルピッチへ出場することとなった。ファイナリスト5名には、各人にメンターとサポーターがつき、Slackでのやりとりやオンラインミーティングを重ね、夢をブラッシュアップ、スライド作りやピッチの練習などが放課後や休日に活発に行われた。

オンラインミーティング

 Rikka Dream Pitch 2024ファイナルピッチは、2024年12月14日(土)に札幌南高校の視聴覚室にて開催した。当日観覧61名(会場27名、オンライン34名)、在校生や教員の参加もあった。
発表者とピッチタイトル及び私の概観は、発表順に以下のとおり。

1.枝松春花「管楽器をもっと気軽に演奏できる社会へ」

ピッチの冒頭で得意のバリトンサックスを演奏。楽器関係者と面談して夢の方向を軌道修正、練習用楽器をペットボトルで試作する等、行動力と探求心が光った。

2.谷口大河「#札南を人とのつながりの場に!」

こんな場があればぜひ参加したいとの声が観覧者の中で殺到し、チャットを盛り上げた。中間発表からブラッシュアップされたスライドに、最後まで努力し最善を尽くす姿勢が表れていた。

3.髙木美柚「エアラインパイロットになりたい!」

個人的な夢のようでいてジェンダー問題に踏み込んだ深いテーマで、自分の想いを語った。1年生とは思えない落ち着いた発表で、観覧者を感銘させた。

4. S.K.「今の私にできること」

自分自身が辛い体験から立ち上がった経験を活かし、同じ思いをする人を減らすために、自分ができること、したいことを語った。パステルカラーの手描きのスライドが優しく、会場は優しさと勇気を受け取った。

5.佐藤舞采「エスコンでつくる、もう一つの学校祭」

野球部マネージャーで磨いた球場アナウンスを披露、観覧者の心をがっちり掴んだ。大規模な夢ながら具体的で、笑顔で発表する彼女なら実現してくれるのではないかと思える巻き込み力のある発表だった。

ファイナルピッチ開幕!

 ファイナルピッチ終了後には、在校生とメンターが交流する「ネットワーキングタイム」を設けた。ピッチが終わりリラックスした様子の在校生と、ピッチに感銘を受けて興奮冷めやらないメンター陣が、活発にかつ笑顔で会話する姿が見られた。

ネットワーキングタイム

ネットワーキングタイムの隙間を縫って、発表者に感想を聞いた。

枝松春花さん:
準備はすごく大変で、勉強も部活もあるのになぜエントリーしてしまったのかと後悔したこともあった。でも、自分の成長につながったと思うので、やってよかった。社会人として働いている大人の話が聴けるというのは貴重な機会だった。

谷口大河さん:
緊張したが、自分のやりたいことや率直な気持ちを伝えることができて、今は満足感がある。学校の勉強と違って評価されない場なことも新鮮だった。メンターやサポーター、他の発表者とたくさん話ができ、いい刺激になった。

髙木美柚さん:
ピッチまでたくさん準備してきた。夢の方向性について迷ったこともあったが、メンターと相談しながら、自分の気持ちを貫けた。挑戦は絶対に自分のためになるということを身をもって知ることができたので、また色々なことに挑戦してみようと思う。

S.K.さん:
教室に貼ってあるポスターを見て、迷ったけれどやってみたいと思ってエントリーした。挑戦してよかった。緊張したけれど、みんなの前で夢を伝えることができて達成感がある。こういう機会があり、ありがたいと思った。

佐藤舞采さん:
楽しかった!ピッチの準備を進めていく中で、自分のやりたいことは何なのかをものすごく考えた。それは自分を見つめ直す作業だった。これからも夢の実現に向けて動いていきたい。

ファイナルピッチ集合写真(1名希望により不掲載)

 実行委員としては、在校生にこのように感じてもらえたことが何よりも嬉しく、企画して良かったと心から思えた。さらに、嬉しかったこととしてもう一点、観覧者やメンターといった大人の同窓生たちが、在校生から元気をもらったということが大きかった。フレッシュな感性を持ち、何でも吸収する若者との交流は、それだけで大人を元気づける力があるのだと思い知った。観覧後の応援メッセージフォームには多くの熱いコメントが寄せられた。
 ファイナルピッチ後も、夢への歩みは続いている。人脈を活かして在校生に人を紹介し、オンラインミーティングが実現したり、イベント開催の夢を実現するため、関係者へ提出するスライドを作成したり。あくまでも主役は在校生。私たちは在校生の主体性を尊重しながら、緩くサポートを続けていくつもりである。
 Rikka Dream Pitch 2024は、ここでひと段落となる。ファイナルピッチのアーカイブ動画は、webフォームからお申込みをいただけば六華同窓生に限り視聴可能なので、興味を持ってくださった方はぜひお申込みいただきたい。

【ファイナルピッチアーカイブ視聴申込フォーム】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdiMMXmefOpMBJQ2cHMZ955RSdfrizm7So0QUk0aHKmFDRyMA/viewform

【Rikka Dream Pitch 2024 公式webサイト】

https://rikkadream.pitch-event.net/

謝辞

 この特別企画には多くの同窓生のご協力のもと、実行することができました。末尾になりましたが、ご協力いただきました方々にこの場をお借りして感謝申し上げます。
 在校生の希望を叶えるために人を紹介する等動いてくださった方、六華同窓会懇親会にて募金にご協力いただいた方、ピッチ観覧後寄付をくださった方、ファイナルピッチを観覧し応援メッセージをくださった方、特別企画について認めてくださった札幌南高校関係各位、ありがとうございます。最後に、私たち実行委員と想いを同じくして在校生に関わってくださった、メンターの皆様に心から感謝いたします。
 

札幌南高校と成瀬

Rikka Dream Pitch 2024実行委員会

プロデューサー 成瀬拓也
Rikka Dream Pitch企画担当 武田丈太郎
六華同窓会2024企画部長 松本ゆかり、平井さやか
六華同窓会2024実行委員長 廣部修平

サポーター 
及川裕理子、大崎文人、金子幸広、山田麻紀

メンター 
宮本暢子(南37期)、福田晋平(南44期)、曽田雄志(南47期)、田畑広樹(南51期)、五十嵐慎一郎(南52期)、吉川舞(南53期)、山田聡(南54期)、田中佑資(南54期)、守屋俊甫(南55期)、大江千紘(南56期)、田中英地(南57期)